ドクターズノートDoctors note
2020.06.11コラム
たくさんの病院やクリニックがあるなか、「いったいどこに受診するのがよいのか」そう考えられる方は多いと思います。
近年では人づてのクチコミだけでなく、インターネット上などで様々な人のクチコミや評判を簡単に検索できる時代になりました。
また、医療機関によっては自院の診療実績などを公表し、よりたくさんの患者さんに来てもらおうとしている施設も見受けられます。
これらの情報は、多くの方にとって医療機関選びの有益な情報源となっていることと思います。しかし、現代は情報過多の時代とも言われますが、情報量が膨大すぎて逆に迷ってしまうことも多いのではないでしょうか。
さらに、ここ最近のコロナ禍でも問題となりましたが、フェイクニュースなどの偽の情報が氾濫していることで、人々の判断を誤らせてしまうという問題も発生しています。
数限りない情報の中から正しい情報を抽出するためには、私たち自身が常に冷静な判断をし続けていくしかないのかもしれません。
当院でも、患者さんから診療実績について尋ねられることが時々あります。
多くの症例数があるというのは一定の安心感に繋がりますから、大事な判断材料にはなると思います。ただ、数さえ多ければいいのなら、大きな総合病院が必ず一番になってしまいます。
「何をどれだけやったからすごい病院」というものでもなく、患者さんと医療者の相性というものもあるでしょう。
それに何より、患者さんと医療者双方の信頼関係が築けないと、良い医療を提供するのは難しいと考えています。
そういったこともあり、来院されて直接お聞きいただいた方にはお答えしてきましたが、当院では今まであえては数字などを公表はしてきませんでした。
ところがつい先日、ある患者さんから当院の診察券番号について聞かれたことがありました。
「自分は2,000番台だけど、こないだ私の友人が受診した際は9,800番台だった」とのこと。
当院の診察券番号は、新規の患者さんが受診されるごとに番号が増えていくようになっています。
この患者さんから質問をいただいたことで、ふと我々も「もうすぐ10,000になるのか」と改めて気付かされました。
この数字に大きな意味があるわけではないですが、これだけ多くの方に受診していただけたというのは、我々医療者にとっては誇らしいことです。
そのため、今回は当院の診療実績の一部と言える、これまでの累計新規受診者数のお話をさせていただきました。
多くの患者さんが受診してくださる中でも、その一人ひとりの方のお役に立てるよう、これからも精進していきたいと思います。